あひるの仔に天使の羽根を
 


目の前で、不安げにこちらを見る芹霞。



俺と芹霞の永遠の絆は蘇ったのだろうか。


それなら何で、他との絆を強く…深めようとするのだろうか。


俺の想いは、やはり言葉でも伝わっていないのだろうか。


恋愛とは違う意味だと、また俺を弾くのだろうか。


どうして玲の心は受け入れて、どうして煌に自らの唇を寄せて……


俺と玲や煌との違いは何だというのか。


俺の想いは…あいつらに負けるとでもいうのか。



本当に――


芹霞は俺に対する蟠(わだかま)りを解いたのだろうか。


不甲斐ない俺を、まだ捨てる気ではないだろうか。


俺に対する恐怖は…不満は…本当に吐ききったのだろうか。



あんな拒絶は――もうごめんだ。



俺は男だ。


お前の前では、ただの男だ。


お前を受け入れるための紫堂の肩書き。


何1つお前を拒む為に作ったものではない。



ああ。


俺の想いを穢し、"後悔"という枷を押し付けたツケは、きっちりととって貰うぞ、須臾。


そして。


俺を甘んじて笑った全ての輩を、俺は許さない。



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