あひるの仔に天使の羽根を
「乗りましょう、その賭け」
白皇が笑った。
「私は此処で待っています。
時刻は…そうですね、もう間もなく…祭の準備が出来たという合図で発煙筒が上り、そして発砲音がします。
その時、また此処にお越し下さい。
此処で…久遠様とお待ちしています」
そして――
頭を斜めに傾け、私達の更に奥を見つめて。
「イクミは手強かったでしょう、
――玲様?」
そこには、壁に身体を凭れさせて、苦しそうに心臓に手をやる玲様の姿があった。