あひるの仔に天使の羽根を
・鏡面 煌Side
煌Side
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部屋を出る時、白皇が呟いたんだ。
きっと久遠にでも言ってたんだろ。
「久遠様の迷いが、ゲームに花を添えた。
それでは最終段階(ラストステージ)といきましょうか」
全てはゲーム感覚なのか?
ふざけるな、白皇。
お前の思い通りにはしてやらねえ。
お前の組み立てたシナリオ通りの結末なんざ、俺達が覆してやる。
どうせ、魔方陣ぶっ壊せねえと思ってるんだろ。
誰が芹霞をお前の欲望の道具にさせるかよ。
最後に部屋を出た俺は、その意思表明に…中指を突き立てた。
「なめるなよ」
愉快そうな笑い声を背に、俺達は階段を駆け下りた。
――久遠~ッッ!!
絶対くれてやらねえよ。
誰が芹霞をやるかよ。
嫉妬というよりは焦り。
櫂に対し抱くような畏(おそ)れにも似て、まるで非なる敵対心。
あの場に置いとくわけにはいかなくて、気づいたら俺は芹霞を肩に担いでたんだ。
駄目だ、駄目なんだ。
芹霞を久遠と一緒にしては。
俺の本能が、過剰過ぎる警告を発していて。
その切迫観念のような不安は、繊細な玲の身体には耐え難き衝撃だったらしい。
目の前で苦しみ藻掻き…崩れていって。
懇願するように、芹霞に手を伸ばしたまま。
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部屋を出る時、白皇が呟いたんだ。
きっと久遠にでも言ってたんだろ。
「久遠様の迷いが、ゲームに花を添えた。
それでは最終段階(ラストステージ)といきましょうか」
全てはゲーム感覚なのか?
ふざけるな、白皇。
お前の思い通りにはしてやらねえ。
お前の組み立てたシナリオ通りの結末なんざ、俺達が覆してやる。
どうせ、魔方陣ぶっ壊せねえと思ってるんだろ。
誰が芹霞をお前の欲望の道具にさせるかよ。
最後に部屋を出た俺は、その意思表明に…中指を突き立てた。
「なめるなよ」
愉快そうな笑い声を背に、俺達は階段を駆け下りた。
――久遠~ッッ!!
絶対くれてやらねえよ。
誰が芹霞をやるかよ。
嫉妬というよりは焦り。
櫂に対し抱くような畏(おそ)れにも似て、まるで非なる敵対心。
あの場に置いとくわけにはいかなくて、気づいたら俺は芹霞を肩に担いでたんだ。
駄目だ、駄目なんだ。
芹霞を久遠と一緒にしては。
俺の本能が、過剰過ぎる警告を発していて。
その切迫観念のような不安は、繊細な玲の身体には耐え難き衝撃だったらしい。
目の前で苦しみ藻掻き…崩れていって。
懇願するように、芹霞に手を伸ばしたまま。