あひるの仔に天使の羽根を


沢山の女を抱くのを"贖罪"として、


――オレはこの肉体が嫌いだ。


見掛けは昔と変わらないのに…


ああ、瞳の色が違うね。



今の瞳の色は――

瑠璃色から、紅紫色に変わっている。



金緑石に染められた瞳の色が激情を映している。



瞳の色は――

久遠の隠しきれない情。



――オレはこの瞳が嫌いだ。



死神姿で人間の首を刎ね――


ああ、

"断罪の執行人"なんていうのをしているんだっけ。



――オレは破滅を望んでいる。



ごめんね、あたしが全て悪かったの。


ごめんね、今まで忘れていて。


ごめんね、今まで1人で罪を償わせていて。



あたしは嗚咽を漏らしながら、久遠に近づき

その頬に手を添えて、瞳を間近で覗き込んだ。



「久遠という容れ物に…入っているのは

――刹那…なんでしょう?」
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