あひるの仔に天使の羽根を
・刹那 櫂Side
櫂Side
***************
やるなら徹底的に。
玲の精神が遠坂に引き継がれたのか、
遠坂の所業もある意味"えげつなく"。
三日月形の目が思い浮かぶ。
今だ部屋に響く、"愛の言葉"。
そこに真剣さを感じられなかった聴衆は、爆笑の渦に呑まれて身を捩った。
「シロ。何とも可愛い"彼女"じゃないか。これならずっと共に居ても、お前は飽きることはないだろう」
緋狭さんが目尻の涙を拭いながら声をかければ、氷皇の蹴りに沈んだままの白皇は、己の血で濡れた唇をわなわなと震わせている。
「衝撃? 笑撃? あはははは~。シロ。融合したいんでしょ早くやれば? お似合いだよ? あははは~」
氷皇の胡散臭い笑いが、白皇から更なる光を奪う。
ふわり、玲が微笑んだ。
「"美しい""彼女"の完全版。元より喋れない"彼女"が、口を開いて貴方だけに、"永遠"愛の言葉を囁き続ける。
ああ。愛があれば、言葉なんてどうでもいいか」
えげつなく、そう追い打ちをかければ。
ぷつん。
白皇から何かが切れたような音がした。
「お前らああああ!!」
白皇は突如立ち上がった。
その目に浮かぶのは、激しい狂気。
「そこまで私の"彼女"を奪いたいか!!! 私の…私だけの"彼女"は、お前達になど渡すものか!!!」
極度の独占欲が怒りと絶望と混ざり合い。
俺達は、白皇の恋敵となったらしい。
そうとしか、認識出来ないらしい。
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やるなら徹底的に。
玲の精神が遠坂に引き継がれたのか、
遠坂の所業もある意味"えげつなく"。
三日月形の目が思い浮かぶ。
今だ部屋に響く、"愛の言葉"。
そこに真剣さを感じられなかった聴衆は、爆笑の渦に呑まれて身を捩った。
「シロ。何とも可愛い"彼女"じゃないか。これならずっと共に居ても、お前は飽きることはないだろう」
緋狭さんが目尻の涙を拭いながら声をかければ、氷皇の蹴りに沈んだままの白皇は、己の血で濡れた唇をわなわなと震わせている。
「衝撃? 笑撃? あはははは~。シロ。融合したいんでしょ早くやれば? お似合いだよ? あははは~」
氷皇の胡散臭い笑いが、白皇から更なる光を奪う。
ふわり、玲が微笑んだ。
「"美しい""彼女"の完全版。元より喋れない"彼女"が、口を開いて貴方だけに、"永遠"愛の言葉を囁き続ける。
ああ。愛があれば、言葉なんてどうでもいいか」
えげつなく、そう追い打ちをかければ。
ぷつん。
白皇から何かが切れたような音がした。
「お前らああああ!!」
白皇は突如立ち上がった。
その目に浮かぶのは、激しい狂気。
「そこまで私の"彼女"を奪いたいか!!! 私の…私だけの"彼女"は、お前達になど渡すものか!!!」
極度の独占欲が怒りと絶望と混ざり合い。
俺達は、白皇の恋敵となったらしい。
そうとしか、認識出来ないらしい。