あひるの仔に天使の羽根を
神楽の縁に並んでいる…
"約束の地(カナン)"最後の"天使"達。
「じゃあ……行こうか」
そう――微笑んだ久遠の身体が
外に向けて大きく傾いた時。
「駄目えええええ!!!」
芹霞が力一杯、久遠の背中の服を引き、
煌が後ろから羽交い締めをしながら引き戻す。
そして旭達は――
「桜ちゃん、ありがとう!!!」
桜の裂岩糸によって、引き戻される。
「何があってももう死んでは駄目なの!!! 辛くても苦しくても!!! 死んだら…負けなの、絶対駄目!!!!」
「せり!!?」
「生きるの、生きようよ!!! 過去が辛くても今が辛くても!!! 未来の事なんて誰も判らない!!! 生きたくても生きれない人だっていたんだから!!!」
泣き叫ぶ芹霞には、きっと…
――ぎゃははははは。
陽斗の姿が浮かんでいるのだろう。
「久遠!!! 久遠だけだったら、あたしも一緒に死んでもいいかと思ったけど、久遠は1人じゃないじゃない!!! 旭も蓮も司狼も!!! 仲間が居るんだから、死んでは駄目!!! 生きて!!! 生きている意味を無駄にしないで!!!」
誰もが芹霞を見つめる。
「あたしが居るから!!! 絶対後悔させないから!!! だから一緒に生きようよ、"永遠"を約束したじゃない!!!」
"永遠"
俺の――心が泣いた。
――芹霞ちゃあああん。
俺は此処に居るのに。