あひるの仔に天使の羽根を

それは悲願。

それは懇願。


「俺は永遠に、お前だけがいい」


それは――

誓約。


伝わったろうか。


俺にとってお前は、

生涯における唯一の女性なのだと。


お前が俺に永続的な関係を求めているように、俺だってお前に永遠を求めている。


俺の永遠を、永久の想いを捧げている。


なあ――

違いがないと思わないか?


何処に違いがあるというんだよ?


俺達は同じ想い――だよな?



しかし――


「……」


芹霞からは応答はなく。



伝わって――


「芹霞……?」


ない?


それとも――


伝わっていて、なのか?


芹霞は何も言わない。



「芹霞……?」



不安になる。



好きだ、と――


明確な言葉でなければ駄目なのか。


――約束します、父上。


想いは此処にあるのに、

それだけは赦されない。


言葉にしなければ伝わらないのか。


そこまで俺の想いは伝わり難いものなのか。


それとも――


俺だから伝わらないのか。


戯れだとでも思われているのか。


胸に渦巻く不安が、まだ熱を孕む体を蝕んでいく。




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