あひるの仔に天使の羽根を
 

愉快そうなその物言い。


絶対この男は胡散臭い。


予感がした。


こいつは――何か知ってやがる。


それが何なのか、どう影響を及ぼすものかは判らねえけれど。


だけど俺は――


「芹霞ッ!!!」


閉められたドアを蹴破った。


何だこの殺気は!!!


突然――


「あいつらから渡されたアレは何処だ!?」


天井から男の声が降ってきた。


「!!!」


あいつら、だ。


船の上で見た、暗紫色の神父服。


天井に四つん這いでへばり付いてやがる。


何処に潜んでやがるんだ、お前蜘蛛男か!?


「はあ!? きちんと判る日本語話せよ!!?」


「……力尽くで判らせてやる」


そう言うと、蜘蛛男は両手両足を天井から離した。



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