あひるの仔に天使の羽根を
§第2日目
・小康
*******************
泣いている。
子供が蹲って泣いている。
水辺のほとり。
あまりに悲しげなその声音に
思わず足を止めてしまった。
そして気づく。
足下には薔薇。
踏み躙られた紫の薔薇。
残骸抱いて泣きじゃくる子供に近寄ると
子供は徐(おもむ)ろに顔を上げた。
怯えと不安が入り混ざったその顔は
激しく零れ堕ちる純粋なその滴は
まるで――天使だった。
泣いている。
子供が蹲って泣いている。
水辺のほとり。
あまりに悲しげなその声音に
思わず足を止めてしまった。
そして気づく。
足下には薔薇。
踏み躙られた紫の薔薇。
残骸抱いて泣きじゃくる子供に近寄ると
子供は徐(おもむ)ろに顔を上げた。
怯えと不安が入り混ざったその顔は
激しく零れ堕ちる純粋なその滴は
まるで――天使だった。