あひるの仔に天使の羽根を
違ったらどうしよう。
聞いてみたい桜ちゃんは、今苦しんでいる。
ちょっとだけ……
試してみようか。
違ったら、その時はその時だ。
あたしはいつだって前向き思考(ポジティブシンキング)。
あたしは煌の部屋に舞い戻る。
苦悶の表情でばたばたと寝返りを打っている煌。
「煌、さあ運命のお時間よ。
鬼が出るか蛇が出るか――
あんたにかかっているからね!?」
少しばかり、煌のせいにして。
意識ない煌の左腕を問答無用に捕まえる。
本能的なのか、反射的なのか。
煌の顔がぴくっと警戒に動いて、右腕を大きく動かした。
「……ひっ!?」
あたしは軽々と宙を舞い、慌てたあたしは天蓋から伸びたピンクのレースのカーテンを両手で掴むと、びりびり音をたてて裂きながら床に落下した。
須臾さん、ごめんなさい。
今度は馬乗りになり、真上から煌の腕を掴んだ。
重力もかかれば、煌だって簡単に振りほどけまい。
そう息込んだあたしだったが、
今度は煌の長い足があたしの背中を直撃し、
「うっ!!?」
あたしは前のめりになって、煌の胸に倒れ込んだ。