あひるの仔に天使の羽根を

煌の片足が、あたしの両足を挟み込んだ。


何だ、足を固めにきたのか!?


煌の足は蛇の様に絡みついて、まるで抜け出せない。


痛いって!!


なんでそんなに挟み付ける!?


もぞもぞ足を上に上げるなッ!!


うわっ、スカートの中に膝を入れるな、めくれるッ!!


尻に触るなッ!!!


足の甲で太股をすりすりするな、この大馬鹿者ッ!!!


お、乙女の股を大胆に割って触りまくるなど、この不届千万ッ!!!


いつもは不器用なくせに、どうしてこんなことは器用なんだっ!!!


本当に無意識かッ!!?


はあはあ喘ぐなッ!!!


お前は変態決定だッ!!


あたしの叫びは、煌の筋肉に埋もれ。



両手でばたばたもがいて藻掻くあたしの耳元で、



「芹霞……」



切なげな声が聞こえた。




判って――



いるのかな。




だから、手加減してくれているのかな。




―――――……。




判っているなら――




とっとと離せ!!



変な絡み方するのせよさんかッ!!!




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