あひるの仔に天使の羽根を
 

櫂の顔色が変わる。


「ちょっと…べったりな幼馴染はお休みしよう」


驚愕の色を濃くさせる。



「櫂はもう、あたしを護る義務はないしね」



「なッ!!?」



「このままじゃ駄目だ」



「俺は嫌だッ!!」



「このままだと、あたし――


櫂を嫌いになる」




「!!!」



須臾と一緒に居る櫂を憎んでしまうかもしれない。


それくらい、気分を害していること、きっと櫂は知らないから。



「大丈夫。皆の前で無視はしないから。

だけど、近づきはしない。

2人きりにもならない。

櫂もあたしを放って置いて」


お互いが、自分と相手をもっと冷静に見れるまで。


怒りでも不満でもなく、ただ純粋に傍に居たいと、居ることが当然だと思える日がくるまで。


簡単でしょ?


今までそうだったじゃない。



「時期が来たら――

またよろしくね」


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