あひるの仔に天使の羽根を
・警鐘
****************
正門を抜けてひたすら歩いて行く。
段々と日は落ちていき、辺りは夕闇に包まれていく。
両側草木の茂みの砂利道をひたすら突き進み、あたしはふと疑問に思った。
そういえば、鏡の迷宮から抜け出たあの崖道は、一体何処へ行ってしまったのだろう。
見渡すばかりの平面世界で、高崖など此処からは望めない。
まさか地形が変わるなどありえないだろうし、基本方向音痴のあたしは何処かで見逃してしまったのだろうか。
「……」
恐らくそうに違いない。
苦笑しながら歩いていく。
やがて。
ぼこぼことした、半球型のくす玉みたいな奇怪なオブジェのような建物に突き当たった。
かなり大きい。
黒光の表面に赤い線が走っていて、何かのホラーに出てきそうな、如何にも胡散臭い臭いぷんぷんの建物。
道がこの建物らしき物体に阻まれてしまい、まっすぐに歩けなくなってしまったあたしは、思い切って入り口らしき赤い絨毯を踏んだ。
ここが建物なら、きっと反対側に抜け出る出口があるはずだ、そう思ったから。
危険を感じたら引き返せばいい。
中に足を踏み入れば薄闇色の廊下が続く。
上階へ続く道へと分岐を過ごし、それでもしつこく道なりに歩いていけば、さすがのあたしも通り抜けられない予感に襲われ、来た道を引き返そうか迷い始めた。
そして見えたのは2つの扉。
行くか戻るか。
行くとしてもどちらに進めば?
迷っていた時、右側の扉が開いて、黄色い神父服の男達3人と白色の神父服を着た……少年が現れた。
顔を合わさずにやり過ごそうと俯いたあたし。
けれど――
「あれ、お姉さん、どうしたの?」
白色の少年が声を掛けてきた。
正門を抜けてひたすら歩いて行く。
段々と日は落ちていき、辺りは夕闇に包まれていく。
両側草木の茂みの砂利道をひたすら突き進み、あたしはふと疑問に思った。
そういえば、鏡の迷宮から抜け出たあの崖道は、一体何処へ行ってしまったのだろう。
見渡すばかりの平面世界で、高崖など此処からは望めない。
まさか地形が変わるなどありえないだろうし、基本方向音痴のあたしは何処かで見逃してしまったのだろうか。
「……」
恐らくそうに違いない。
苦笑しながら歩いていく。
やがて。
ぼこぼことした、半球型のくす玉みたいな奇怪なオブジェのような建物に突き当たった。
かなり大きい。
黒光の表面に赤い線が走っていて、何かのホラーに出てきそうな、如何にも胡散臭い臭いぷんぷんの建物。
道がこの建物らしき物体に阻まれてしまい、まっすぐに歩けなくなってしまったあたしは、思い切って入り口らしき赤い絨毯を踏んだ。
ここが建物なら、きっと反対側に抜け出る出口があるはずだ、そう思ったから。
危険を感じたら引き返せばいい。
中に足を踏み入れば薄闇色の廊下が続く。
上階へ続く道へと分岐を過ごし、それでもしつこく道なりに歩いていけば、さすがのあたしも通り抜けられない予感に襲われ、来た道を引き返そうか迷い始めた。
そして見えたのは2つの扉。
行くか戻るか。
行くとしてもどちらに進めば?
迷っていた時、右側の扉が開いて、黄色い神父服の男達3人と白色の神父服を着た……少年が現れた。
顔を合わさずにやり過ごそうと俯いたあたし。
けれど――
「あれ、お姉さん、どうしたの?」
白色の少年が声を掛けてきた。