あひるの仔に天使の羽根を
・危殆
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「ね、ねえ司狼…くん。本当に大丈夫だから。あたし1人で行けるから」
「僕は大丈夫♪ 気にしないで?」
幾度とも無く繰り返された会話。
しかも白い服の少年…司狼と呼ばれた彼は、あたしの手を握りしめ、ぶんぶんと揺らして上機嫌だ。
あたしは、この少年に気に入られたらしい。
あどけない顔をした、陽斗と同じ顔。
あたしはふと訊いてみたくなる。
「ねえ、司狼くんって……お兄さんいる?」
「え?」
きょとんとした顔で。
「…"陽斗"っていう男の人、身内にいない?」
久しぶりに言葉に乗せたその名前。
凄く緊張してしまった。
「……さあ?」
やっぱり違うか。
「お姉さんの好きな人?」
そう、綺麗な金色の瞳で見つめられれば。
「んー。今でも好きな人、かな?」
――芹霞ちゃんよー。
あたしの盟友。
ぎゃぎゃ笑う、あたしの相談者(アドバイザー)。
「なんかさ、似てるんだ。司狼くんに」
あたしは苦笑する。
「ね、ねえ司狼…くん。本当に大丈夫だから。あたし1人で行けるから」
「僕は大丈夫♪ 気にしないで?」
幾度とも無く繰り返された会話。
しかも白い服の少年…司狼と呼ばれた彼は、あたしの手を握りしめ、ぶんぶんと揺らして上機嫌だ。
あたしは、この少年に気に入られたらしい。
あどけない顔をした、陽斗と同じ顔。
あたしはふと訊いてみたくなる。
「ねえ、司狼くんって……お兄さんいる?」
「え?」
きょとんとした顔で。
「…"陽斗"っていう男の人、身内にいない?」
久しぶりに言葉に乗せたその名前。
凄く緊張してしまった。
「……さあ?」
やっぱり違うか。
「お姉さんの好きな人?」
そう、綺麗な金色の瞳で見つめられれば。
「んー。今でも好きな人、かな?」
――芹霞ちゃんよー。
あたしの盟友。
ぎゃぎゃ笑う、あたしの相談者(アドバイザー)。
「なんかさ、似てるんだ。司狼くんに」
あたしは苦笑する。