あひるの仔に天使の羽根を
§第3日目
・懺悔
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水のほとりで泣きじゃくる天使のような子供に
その涙の理由を聞いてみる。
「ながれてしまったの」
天使が指差すのは水辺の奥。
濁った水が揺れる湖水。
何かがぷかぷかと浮いている。
「たいせつなたいせつな――が
ながれてしまったの」
片言の言葉。
「あれがなければ…
――さまが――てしまうのに」
所々が、嗚咽でよく聞こえない。
でも大切なものなんだということは判った。
天使の泣き顔は激しく憐憫の情を誘い、
胸が切なく締め付けられる。
泣かせてはいけない。
笑顔にさせてあげたい。
心を占めたのは、そんな使命感。
だから――
水のほとりで泣きじゃくる天使のような子供に
その涙の理由を聞いてみる。
「ながれてしまったの」
天使が指差すのは水辺の奥。
濁った水が揺れる湖水。
何かがぷかぷかと浮いている。
「たいせつなたいせつな――が
ながれてしまったの」
片言の言葉。
「あれがなければ…
――さまが――てしまうのに」
所々が、嗚咽でよく聞こえない。
でも大切なものなんだということは判った。
天使の泣き顔は激しく憐憫の情を誘い、
胸が切なく締め付けられる。
泣かせてはいけない。
笑顔にさせてあげたい。
心を占めたのは、そんな使命感。
だから――