あひるの仔に天使の羽根を
あたしは――
笑ってはいけない。
望んではいけない。
生きてはいけない。
そう――
生きていてはいけなかったんだ。
あたしは罪に穢れているから。
陽斗を犠牲にしてのうのうと生きてる悪人だから。
あたしの身体には、罪が刻印された傷痕がある。
決して消えることのない、醜い傷痕が左胸にある。
――ねえ、芹霞。僕だけにちゃんとその傷を見せてよ。
入院中、優しい玲くんはあたしの罪を共有し、あたしが"孤独の生"に傾かないよう、いつも一緒にいて癒してくれたけど。
ごめん、玲くん。
やっぱりあたし――
耐えられそうにない。
あたし――
平気でなんかいられない。
罪深きあたしに罰を。
罪深きあたしに制裁を。
赦されたくない。
赦されてはいけない。