あひるの仔に天使の羽根を
あたしの日常は終わる。
所詮、儚く終わる夢だったのだと、気づくのが遅すぎた愚かなあたし。
櫂と煌と玲くんと桜ちゃんと。
弥生と由香ちゃんと緋狭姉と。
その他大勢の大好きな皆と、普通に笑って過ごした夢は終焉を迎える。
――芹霞ちゃあああん。
ねえ、櫂。
あたし達の間に、"永遠"はなかったんだね。
ただのあたしの、願望だったんだね。
それは本当に悲しいけれど。
今まで、"永遠"を押し付けてごめん。
どこまでも押しつけがましい幼馴染でごめん。
「……か」
最後まで、こんなどうしようもないあたしに、
仲良く付き合ってくれて、ありがとう。
今度はただ、自分の幸せだけを望んで、
だれよりも自分の為に幸せになってね。
あたしはあるべき姿に――
懐かしい闇に――還るから。
「――…りか」
もうあたしから解放されていいよ?
「芹霞、しっかりしろってッ!!!」