あひるの仔に天使の羽根を


あたしの日常は終わる。


所詮、儚く終わる夢だったのだと、気づくのが遅すぎた愚かなあたし。


櫂と煌と玲くんと桜ちゃんと。


弥生と由香ちゃんと緋狭姉と。


その他大勢の大好きな皆と、普通に笑って過ごした夢は終焉を迎える。



――芹霞ちゃあああん。




ねえ、櫂。



あたし達の間に、"永遠"はなかったんだね。


ただのあたしの、願望だったんだね。



それは本当に悲しいけれど。



今まで、"永遠"を押し付けてごめん。


どこまでも押しつけがましい幼馴染でごめん。



「……か」



最後まで、こんなどうしようもないあたしに、

仲良く付き合ってくれて、ありがとう。


今度はただ、自分の幸せだけを望んで、

だれよりも自分の為に幸せになってね。



あたしはあるべき姿に――



懐かしい闇に――還るから。




「――…りか」




もうあたしから解放されていいよ?





「芹霞、しっかりしろってッ!!!」



< 537 / 1,396 >

この作品をシェア

pagetop