あひるの仔に天使の羽根を


ぐらぐらと身体を揺さぶられる感覚。



「生き返れってばッ!!!」



突如。


頬に痛みを感じて強制覚醒させられる。


ぼやけた視界の中に、鮮やかな色彩。


暁色の髪。

突き刺すような褐色の瞳。



野性的で少し恐い面持ちの……



誰――だっけ?



「馬鹿芹霞ッ!!!

叩かれたら、いつもみたいに殴り返せよッ!!!

死んだフリすんなよ、馬鹿ッッ!!」



揺らぐ大きな身体。


途端に冷えたあたしの身体が熱さに覆われて。


心地よい夢。


まだ――夢を見ている。


絶たないといけないのに。



「俺――…

もうお前が目覚めねえかと思って……」



少し掠れた、震えた声。




「――…っておい、目を瞑るなッ!!!」



思い切り両目まぶたを指でこじ開けられて、



「何すんのよッ!!!」



あたしは反射的に――平手打ち。



手の感触が覚えている。



煌――だ。




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