あひるの仔に天使の羽根を


「煌……駄目?」


トドメを刺された俺は、



「駄目……じゃない」



うわ言のように紡ぎ、芹霞を抱き締めた。


柔らかい芹霞の身体。


いい匂いに頭がくらくらする。


ああ、芹霞のぎゅうっていいな。


ずっとぎゅうしていたいな。


「……ぎゅうだけでいい?」


「ああ」


「本当にぎゅうだけで、香水女のトコ行かないね?」


「絶対行かねえ」


行けるわけねえだろうが。


「ぎゅうだけで、ちゃんとこれから禁欲生活するね?」


「ああ。ちゃんと禁欲生活する……ああ!?」


何、俺芹霞とぎゅうだけで過ごすの?


え?


それだけで俺、この先耐え忍ぶの?



「……ちょろいね、煌」


「……あ?」


「ぎゅうは偉大なんだね。ということで、ぎゅうで女遊びの件、よろしく♪」


身体離して見ると、芹霞がにやりとしたり顔。


「お前、だましたのか~!!!?」


「人聞き悪いね、ぎゅうはするよ?」


俺――

絶対、こいつの尻に敷かれそう。


今までさえその気はあったんだけれど。


俺の想い逆手にとって、尚一層いいように操られそう。




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