あひるの仔に天使の羽根を


「玲くん……?」


心に棘が突き刺さる。



「エロいちゅう……?」


何でこの2人は……堂々とそんなことを言い合うんだ?



「何回もちゅう……?」


僕の目の前で、どうしてこんなに"痴話喧嘩"みたいのをするんだ?


腹が立つ。


何だよ、それ。


どうして僕の居ない間に、そんなになるんだよ。



「玲くんまでちゅうちゅう言い出したのは、煌のせいだからね!!?」


「ひっ。お、おま……えげつねえ顔に……」



血が騒ぐ。


気狂いの血が――。



「ねえ……煌。

随分と盛り上がっているようだけど、お前……芹霞に何をしたの?」


ぎくり。


煌の顔が強張った。



「ねえ、煌?」

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