あひるの仔に天使の羽根を
 
「ちょっと待て、煌!!!」


僕は今にも偃月刀で切り刻もうとしていた煌を制する。


そして再度よく見てみる。


氷皇は、何かを伝えたがっている。


そう感じた。


「どうしたの、玲くん?」


支離滅裂にも思える無駄ばかりの内容。


見ているだけで腹立たしい文章。


腹立たしいのは、氷皇という存在だからなのか。


僕の力が到底敵わぬ力の持ち主だからか。


緋狭さん並の頭脳を持つ男だからか。



やがて――



「もしかして……?」



そして僕が"ソレ"に気づいた時――



部屋の外から悲鳴が聞こえた。


< 616 / 1,396 >

この作品をシェア

pagetop