あひるの仔に天使の羽根を
 

「悪ぃ……」


それは誰に向けた言葉なのか、俺自身もよく判らない。


だけど思うのは。


この想いを諦めるつもりがねえってことだ。


もう俺は、覚悟を決めたんだ。



「だけどよ玲、俺は引かねえから。

それが嫌なら、お前も来いよ」



俺は。


お前の苛立ちにびびって手を引く気はねえ。


だったら受けてやるよ。


お前の想いをぶつけてこいよ。


俺は1歩も引かねえ。



玲は――


何も言わなかった。


< 663 / 1,396 >

この作品をシェア

pagetop