あひるの仔に天使の羽根を
「悪ぃ……」
それは誰に向けた言葉なのか、俺自身もよく判らない。
だけど思うのは。
この想いを諦めるつもりがねえってことだ。
もう俺は、覚悟を決めたんだ。
「だけどよ玲、俺は引かねえから。
それが嫌なら、お前も来いよ」
俺は。
お前の苛立ちにびびって手を引く気はねえ。
だったら受けてやるよ。
お前の想いをぶつけてこいよ。
俺は1歩も引かねえ。
玲は――
何も言わなかった。