あひるの仔に天使の羽根を
「ねえ芹霞。……いつから?」
それは真剣な顔つきで。
「へ?」
「どうして無理ばかりするんだ!!!」
玲くんに怒られてしまった。
「れ、玲くん?」
あたし、何かをやらかしてしまったのか。
「縫い直すよ……胸」
「え!!?」
「気づいていないとでも思ってたの、僕が」
剣呑な鳶色の瞳。
「だ、大丈夫だから。は、早く桜ちゃんを……」
「芹霞!!!」
また怒鳴られた。
「気になるなら、傷口見ないようにして身体洗っておいで」
「あたしより、ねえ早く桜ちゃん……」
しかし玲くんは耳を貸さない。
「君が自分で洗わないというのなら、僕が洗ってもいいの?」
――は!!?
「僕と……一緒にお風呂入る?」
妖しげに光る鳶色の瞳。
「僕は構わないけど?」
何て言う色気放ち出すんだ、玲くんは。
「だけど……覚悟しててね、イロイロ。
僕だって"男"だから止まらないよ?」
そんな囁き声に、あたしは動けなくて。
「……じゃあ…行こう」
あたしの腰に玲くんの手が回され――
刺激が強すぎたあたしは――
熱さで朦朧としていたから、なるべくしてなったのかもしれないけれど、それでも玲くん…手加減してよ。
そう思いながら。
「……可愛い芹霞。麻酔がなかったから…ごめんね?
だけど…いつかは実現しようね?」
そんな呟きもしらず、優しい温もりに包まれながら
意識を飛ばした。