あひるの仔に天使の羽根を
「玲……これからどうするよ?」
そう煌が僕に訊いてきた時、突然イクミの悲鳴が上がった。
慌てて芹霞の居る部屋に駆けつけてみると、そこには黄色の神父がイクミを掴み上げていて。
煌が滑り込むようにして、男に切りつける。
「イクミ、大丈夫?」
イクミは青ざめた顔をして頷いた。
その時、大勢の黄色い神父が部屋に雪崩れ込んできて。
僕はまだ意識が戻らない芹霞とイクミを後方にして、手から電磁波を発生させ、放射状の青光を神父達に向けた。
ばりばりと音がして、神父達が焦げ付いていく。
「煌、ここを出る。お前はイクミを頼む!!! それからイクミ、このパソコンを落とさないよう持っていて」
「……お前は芹霞かよ。しかもいつの間に持ってきてたんだよ、そのパソコン。ああくそっ!!! 後で覚えておけよ」
芹霞を抱きかかえた僕と、パソコンを胸に抱きしめたイクミを肩に担いだ煌。
黄色だからと確かに僕達は油断していた。
突然、茶色い光が宙に拡がり、思わずそちらに目を奪われた僕と煌は、その光が魔方陣となりゆく様を見つめ――
「くそっ、何だよ、こいつも登録者か!!?」
突如激しい地殻変動に、僕達は支点を失う前に、各々結界を張った。
その間にも宙には、茶色と重なるようにして水色の魔方陣。
男の気合いと共に、水で出来た龍が僕達の結界を押してきて。
「おいおい、何だよそりゃ……」
僕は青い光を1つに纏め、こちらに向ってくる水色の光にぶつけた。
簡単に僕の力が押し勝つ。
「相克……僕の属性は雷か」