あひるの仔に天使の羽根を
その間に再び襲った地震の中、飛び跳ねた煌が偃月刀を口にくわえ、男の鳩尾に肘を入れて、男の態勢を崩した。
その隙に、地面に偃月刀を突き刺して、衝撃波で周囲の男達を一掃する。
そして僕達はその部屋を後にして走った。
重厚な、認証が必要な扉は開けっ放しで。
僕は思う。
恐らくは、セキュリティシステムが僕達を弾こうとしていると。
自らの意思で、僕達と敵対している者達を招き入れたのではないかと。
自らの――誰の意思だ?
――そん時に教祖の名前が"刹那"って漏らしたんだ。
それは直感。
僕は――
見たこともない、刹那という名の存在に
疑念を感じた。