あひるの仔に天使の羽根を

「お前なあッ!!! ソノ気の男の股間思い切り叩き付ければ、どういう状況になるか、同じ男なら判るだろうがよッ!!! 使いものにならなくなっちまったら、どうお前責任とるんだよッッ!!!」


這いつくばり、立ち上がることも出来ない程のダメージを食らった俺は、涙目で見下すように立っている桜を睨み付けた。


「はん!!! その方がいいだろうが、てめえはよッ!!!

第一そんな汚いもの、誰に使う気だ? 誰も彼もに"ソノ気"になって盛りまくる、駄犬がよ!!?」


思わずぐっと言葉に詰まったが、


「汚いって…俺のはなあ!!!」


俺にも矜持がある。


「んなもの説明するなッッ、この腐れ蜜柑が!!!」


折角。


起き上がれる処まで回復した部分を、また蹴り飛ばされた。


今度はモロだ。


「~~ッッッ!!!!」


絶対。


特殊な身体してなきゃ、俺死んでる。


「何だよ、何でそんなに荒れてるんだよ、桜ッッッ!!!」


俺はふるふると震えながら、叫んだ。


すると、桜の目がまた苛立ったように細められたのを見て、俺は本能的に身を捩る。


股間を庇うようにして。


さすがの俺も、3回目はやばいだろう。


「行くか戻るかしか出来ねえ逃げてばかりのてめえに、平然とそんなこと言われたくねえッッッ!!!」


かつてない程の桜の怒り様。


どっかーん、だ。
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