あひるの仔に天使の羽根を
・選別
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あたしが顔を洗っていた時、不意に何かの気配を感じた。
感覚で判る。
もう何度もそれに触れてきた。
煌とも直に感じた――
櫂の……闇の力。
漆黒色に微光するそれは、あたしの身体を撫でるように螺旋状に纏わり付き、
「な!!!?」
一気に力を込めて締め上げた。
まるで黒い大蛇に全身を巻き付かれたかのように。
肉が、骨が……砕かれそうな衝撃にギシギシと悲鳴を上げる。
声すら、苦しくて出てこない。
絞られたように、脂汗だけが滴り落ちるのが判った。
その時、闇の力が僅かに枝分かれをして。
それはまるで蛇の舌のようにちろちろと、
そして一気に差し込むようにあたしの身体に侵入した。
あたしの――心臓目掛けて。
あたしの心臓が……
陽斗が……
直に舐め上げられるような不快すぎる感触。
更に内部まで忍び入る感覚。
心臓の裏側に、櫂の闇の力が充満していく。
そしてそれは――
「……やだッ!!!」
膨張した。
中から破裂しそうな感覚に、あたしは引き攣った呼吸しか出来なくて。
あたしが顔を洗っていた時、不意に何かの気配を感じた。
感覚で判る。
もう何度もそれに触れてきた。
煌とも直に感じた――
櫂の……闇の力。
漆黒色に微光するそれは、あたしの身体を撫でるように螺旋状に纏わり付き、
「な!!!?」
一気に力を込めて締め上げた。
まるで黒い大蛇に全身を巻き付かれたかのように。
肉が、骨が……砕かれそうな衝撃にギシギシと悲鳴を上げる。
声すら、苦しくて出てこない。
絞られたように、脂汗だけが滴り落ちるのが判った。
その時、闇の力が僅かに枝分かれをして。
それはまるで蛇の舌のようにちろちろと、
そして一気に差し込むようにあたしの身体に侵入した。
あたしの――心臓目掛けて。
あたしの心臓が……
陽斗が……
直に舐め上げられるような不快すぎる感触。
更に内部まで忍び入る感覚。
心臓の裏側に、櫂の闇の力が充満していく。
そしてそれは――
「……やだッ!!!」
膨張した。
中から破裂しそうな感覚に、あたしは引き攣った呼吸しか出来なくて。