あひるの仔に天使の羽根を
 

恐い、恐い、恐い、恐い!!!


感じる。


この闇の力は――



恐い、恐い、恐い、恐い!!!


あたしに対する敵意だ。



恐い、恐い、恐い、恐い!!!


明確な殺意を持って、あたしの体内を侵そうとしてる。



あたしを――


壊そうとしている!!



恐い、恐い、恐い、恐い!!!


櫂が……


あたしを殺そうとしているの?



闇を操れるのは櫂しかいない。



そこまであたしは櫂に嫌われていたの?



「……うがっ!!!」



心臓の内部を強く殴られた衝撃に、血が大きく揺れた気がした。


身体がくの字になる。




――芹霞ちゃあああん!!



あたしお別れしたじゃない。


あたし泣くの我慢したじゃない。



こんなのって――…


――芹霞ちゃあああん!!


こんなのって!!!





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