あひるの仔に天使の羽根を
「玲……お前、本当にするのか?」
俺はどうしてもそれを確かめたくて。
玲の意思を確認したくて。
問い質す声は震えてしまう。
「下手すりゃ、今までお前が抱えてきたもん、全て修復不可能までにぶっ壊れるんだぞ!?」
玲は、強ばった顔のまま微笑んで。
「その時は――お前に託すよ」
泣きそうになる。
いや……泣いているんだろう、今俺は。
「お前の尻拭いなんかしたくねえよ!!!」
「ははは。だけど、何も変わらなければ、お前以外に頼める奴はいないんだ」
儚げで、だけど強い眼差し。
「お前が駄目で、俺がいいわけねえだろうが」
俺はその目を真っ直ぐ見れなくて。
「…そもそも櫂はどうしてるんだ」
「無反応のまま今は須臾と居る。
もう時間がない。…待ってられない」
それは本当に切なげで。