あひるの仔に天使の羽根を
「……本当に、やるのか?」
再度念を押してしまうのは、俺の心が抗しているからだろう。
「ああ。もう……僕は決めた。
これ以上は限界、だ――…」
だから俺は――。
「外から…鍵をかけておいてやるよ。その方が都合いいだろう?」
ああ、もう視界が滲んでよく見えない。
芹霞――。
「ああ、その方が助かる」
玲は芹霞を抱いたまま、俯いた。
なあ、芹霞――。
「本当は……俺がしたかったなあ!!!」
そう泣きながら笑う俺に。
「駄目だよ。この役目は……渡さない」
玲もまた、泣きながら笑った。
お前は――
俺の手から離れていくんだな。
こんなに好きなのにな…。
これから起こるのことをただ黙って見ているしかねえなんて、
すげぇ……辛いよ…。
辛いんだよ!!!