あひるの仔に天使の羽根を
「ああああああ!!!」
思わず俺から、声にならない叫びが出た。
まるであの時の煌の様に。
俺は両手で髪を掻き毟った。
発狂しそうな程に苦しい衝動。
俺が崩れていきそうだ。
全てをぶち壊したのは俺。
須臾を愛した事実がある以上。
須臾を永遠と宣言した以上。
此処に居たいと言った以上。
芹霞を突き放した以上。
煌と玲と桜を追い詰めた以上。
俺は――
"愚行"の責任をとらねばならない。
判っている。
そんなこと判っている!!!
だけどせめて。
本当に最後にするから。
芹霞に謝りたい。
俺の存在が、恐怖で芹霞の記憶から消え去らぬよう。
どんな最低男でもいいから、それだけはやめてくれと訴えたい。
勝手だ。
十分判っている。
だけど最後は――せめて幼馴染の立場で。
笑顔で玲とのことを祝福しよう。
玲は、俺みたいな最低男ではないから。
俺は俺の責任において、自分でこの想いに幕を閉じるんだ。