ロゼッタ
「ここがその幼なじみん家」
俺は目の前の木造の家を指差した。
するとローズはそれを見渡し、「ふぅん」と呟いた。
コンコン、と扉を叩くと、中から見知った幼なじみが顔を覗かせた。
「お、柊!やっと来たねー」
茶色いくせ毛を揺らしながら、エメラルドグリーンの瞳を細めて笑う幼なじみに、俺は「おう、久しぶりだな、椿(ツバキ)」と返す。
椿を見て、ローズは目を丸くする。
「…え?男?」
「おぉ?オレのこと?」
どうやら椿を女だと勘違いしていたらしい。
椿もそのことに気付いたようで、ケラケラと笑いながら自己紹介をする。
「はじめましてローズマリー嬢。椿・巽美(タツミ)と申します。柊とは15年の付き合いになるかな」
最後に笑顔で「よろしくね」と言いながら手を差し出す椿の手を、ローズは顔を赤くしながら握り、「よろしく」と呟いた。
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