ロゼッタ



「今日はもう遅いし、オレん家に泊まりなよ」

「おう、そのつもり」

「えぇぇ…」

「嘘だっつの」

「もー!相変わらずだね、柊は!」


俺達が和気藹々と、まるで子供のような会話をしている様子を、ローズは無言で見つめていた。
気まずいのだろうか。
なら悪いことをした。


「わり、ローズ。つまんなかったか?」


素直に謝り、頭を撫でてやると、ローズは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに叫んだ。


「別に!少し考え事をしていただけだ!」


何を意地になっているんだか。
そう思いながら「そりゃ良かった」と再び頭を撫でてやった。


そんな俺達を見ながら椿が笑っていたことに、俺達は気付かなかった。





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