ロゼッタ
4 出発
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夜が明け、出発の日となった。
ローズと椿は車に荷物を詰めている。
エンジンのチェックをしている俺は、昨日の夜にローズが言った言葉が引っ掛かっていた。
『これを使えば、みんなを止めることができるのか?』
小さく小さく呟かれた言葉の真意は分からない。
けれど、そのときのローズの悔しそうな顔や声色が、何か嫌な予感をもたらした。
呟いたあと、ローズは『悪かった。何でもないから気にしないでくれ』と言い残して寝室へ向かった。
こんな子供に、誰が何を背負わせているのだろうと、俺は気になって仕方がなくなった。
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