ロゼッタ



「お前がそんなに聞きたいというなら教えてやるしかないな!」


嬉しそうに踏ん反り返る少女に、いや、言ってねーし。と突っ込まないでやろう。


「私はローズマリー・アルストロメリア。12歳で身長は135センチ。趣味はダーツにチェス」

「…ちっさ」

「うるさい!気にしてるんだ!」


そう言って少女はふて腐れたように頬を膨らませた。

こうしていると、普通の少女と何ら変わりない。
学校には行っているのだろうか。
友達はいるのだろうか。
聞きたいことが山ほど増えてきた。
この長い道程の最中にでも聞くかとにしよう。


「…っ!」


そんなことを考えながら運転していると、突然車が揺れる。


「なんだ!?パンクか!?」


少女が叫ぶ。


「いや、多分これは…」


パン、パンと渇いた銃声が田舎町を駆け抜ける。
こんなに落ち着いた町での発砲など、早々ないだろう。
きっと外部から来た奴だ。

狙いは、彼女、ミス・ローズマリーだ。





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