音楽のある世界へ(仮題)
午後7時、三時間くらいは寝ていたのだろうか。
ホテルのフロントで代金を支払おうと
キーを出すと
料金がすでに支払われていることを
告げられた。
「美人の彼女が一万円置いていったよしばらくそっとしておいてあげてって、
よ~く寝てるからってさ」
「そうですか」
「いい彼女だね」
「えっそうですね」
「美人だしね~」
「まぁ、そうですね」
お釣りの3200円まで渡された。
あたりは薄暗くなっていた。
昼間の公園で感じた爽やかさは
すでに消えうせていて、
ネットリとした暑い空気が身体にまとわり。
気分の重さと
渋谷の街の喧騒で
心はどんどん落ち込んでいく。
携帯にはメールが数件入っていたが
無視した。
今は友達からのメールに返信する元気はなかった。
もう彼女と二度と会えないのか
と、考えただけでまるで心に
ポッカリと穴が空いてしまったようだ。
見慣れた風景が、ぼやけていた。
もちろん彼女のことなど瞬は何も知らなかったが、清楚で美しい彼女がいったいなぜ自分などと、自問自答しても、正解を見出すことなど無理なことである。なにしろ彼女とコンタクトを取る方法が無い。
どうして?
と、聞くことすら不可能だ。
もしかしたら
幻想を見たのかもしれないな。
そんな気さえしてくる
田園都市線に乗ると、その周囲の空気は瞬にどこまでもよそよそしい。
そんな新学期一日目であった。
ホテルのフロントで代金を支払おうと
キーを出すと
料金がすでに支払われていることを
告げられた。
「美人の彼女が一万円置いていったよしばらくそっとしておいてあげてって、
よ~く寝てるからってさ」
「そうですか」
「いい彼女だね」
「えっそうですね」
「美人だしね~」
「まぁ、そうですね」
お釣りの3200円まで渡された。
あたりは薄暗くなっていた。
昼間の公園で感じた爽やかさは
すでに消えうせていて、
ネットリとした暑い空気が身体にまとわり。
気分の重さと
渋谷の街の喧騒で
心はどんどん落ち込んでいく。
携帯にはメールが数件入っていたが
無視した。
今は友達からのメールに返信する元気はなかった。
もう彼女と二度と会えないのか
と、考えただけでまるで心に
ポッカリと穴が空いてしまったようだ。
見慣れた風景が、ぼやけていた。
もちろん彼女のことなど瞬は何も知らなかったが、清楚で美しい彼女がいったいなぜ自分などと、自問自答しても、正解を見出すことなど無理なことである。なにしろ彼女とコンタクトを取る方法が無い。
どうして?
と、聞くことすら不可能だ。
もしかしたら
幻想を見たのかもしれないな。
そんな気さえしてくる
田園都市線に乗ると、その周囲の空気は瞬にどこまでもよそよそしい。
そんな新学期一日目であった。