音楽のある世界へ(仮題)
「失礼します」
軽音楽部員四名が
職員室に入っていくと、端の席に
ふんぞり返った
ピチピチのジャージを着たカバ親父が、
サンダル履きで新聞を読んでいた。
「おぉ、カモンカモンカモン」
と、迎え入れる。
「お話しってなんですか?」と
依子が切り出す。
「おぉノリちゃん、今日はズバリ、
ハッキリとユーたちに告げるよ」
「ヨリコです、あたし」
「あれ、ノリちゃんじゃないの?」
「ヨリコです、マイネームイズ
ヨリコ、イズミ、です」
きっぱりと言い切る依子。
笑いをかみ殺しながらも
相変わらずむかつく話し方を
するなカバ親父は
と、瞬は思う。
「まっいいや、でな
早速だけど、軽音楽部なんだけどな、
このままだと廃部になるから」
「……」
「どうして?」
「夏休み前から再三警告してたけど、
クラブ活動ってのはな、
部員は最低10人いないと
認められないんだわ
いま何人だ?」
「よ、4人です」と、瞬が答える。
「そう たった4人
で、だな。
三年生が八月一杯で
退部届けを出したから
部員が急激に減ったのは理解できる。
だけどな、
それでも部が正式に活動するには5人だ。
最低でも5人はいる。
そうでないと、
部費は出せないし、
部室も貸せないってわけだ。
軽音楽部は4人、その最低条件を満たしてない。
以上だ」
瞬以下、4人は押し黙った。
軽音楽部員四名が
職員室に入っていくと、端の席に
ふんぞり返った
ピチピチのジャージを着たカバ親父が、
サンダル履きで新聞を読んでいた。
「おぉ、カモンカモンカモン」
と、迎え入れる。
「お話しってなんですか?」と
依子が切り出す。
「おぉノリちゃん、今日はズバリ、
ハッキリとユーたちに告げるよ」
「ヨリコです、あたし」
「あれ、ノリちゃんじゃないの?」
「ヨリコです、マイネームイズ
ヨリコ、イズミ、です」
きっぱりと言い切る依子。
笑いをかみ殺しながらも
相変わらずむかつく話し方を
するなカバ親父は
と、瞬は思う。
「まっいいや、でな
早速だけど、軽音楽部なんだけどな、
このままだと廃部になるから」
「……」
「どうして?」
「夏休み前から再三警告してたけど、
クラブ活動ってのはな、
部員は最低10人いないと
認められないんだわ
いま何人だ?」
「よ、4人です」と、瞬が答える。
「そう たった4人
で、だな。
三年生が八月一杯で
退部届けを出したから
部員が急激に減ったのは理解できる。
だけどな、
それでも部が正式に活動するには5人だ。
最低でも5人はいる。
そうでないと、
部費は出せないし、
部室も貸せないってわけだ。
軽音楽部は4人、その最低条件を満たしてない。
以上だ」
瞬以下、4人は押し黙った。