音楽のある世界へ(仮題)
リョウと正樹は渋谷の楽器店にいた。

リョウの自宅にはなぜか十数本のギターとベース類、
ピアノにキーボードがある。松田は知っていたが、とくにその理由を聞いたことはない。

「ギター買うの?」と、松田が問いかける。

「いや、瞬のやつがバイト代でギターを買うって言ってたのを思い出したんで、その下見」

「そっか、リョウはギター持ってるもんな」

「いや、俺の使ってるのは全部親父の所有物だけどね」

リョウの表情に若干の不機嫌さが宿ったので、家庭のことに突っ込んで聞くのは拙い気がした。

「瞬は、どんなギター買うのかね」

「ん~まぁ あいつのバイト代で買うなら、たいした機種は買えないだろうなぁ」

「あっそういや、リョウは夏休みなにしてたんだ」

「ん? おれ? ひとり旅だよ」

「えっそうなのか?  そういやなんかちょっと大人っほくなったような」

「おい、気持悪いこというなよ」


< 28 / 28 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

『隔絶する密室』

総文字数/4,140

恋愛(純愛)3ページ

表紙を見る
マウンドのサスピション

総文字数/1

青春・友情1ページ

表紙を見る
「非機械式トワイライト」

総文字数/597

その他2ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop