その先へ

第4歩

始業式が終わるとクラスに戻り、帰り支度を始める。

今日は始業式のみなので帰宅部以外の生徒は下校していく。

タキとカンちゃんが帰ろうとしているとユーヘイが呼び止めた。


「タキ、カンちゃんちょっと待って!!フミナ、カノン、ジュンちょっと来て!!」


呼ばれるがままに5人はユーヘイのいる教卓の前に集まった。


「何?何かあった?」


フミナが5人を代表して口を開く。するとユーヘイはウキウキした顔をして、


「新年会やらない?」


そう切り出した。すぐさまタキが反論をして、


「新年会?それなら1月にやっただろ?それに時期じゃ…」

「正確には新年度会かな。せっかくまた同じクラスなんだしさ、バーッと飯でも行こうぜ」


タキの反論を割って話し始めるユーヘイ。
そんなユーヘイの話に一番最初に乗っかるのはいつも決まっている。

みんなの視線がカンちゃんに向けられた。


「うん、いいんじゃない?こういう会がないと学校以外で集まれないし」

みんなの意に反して賛成したのはフミナだった。みんな驚いた表情をして一斉にフミナを見た。


「なっ何?私が意見しちゃダメなの?」


フミナは頬を赤くしてうつむいた。


「ダメじゃないよ!!ただアタシのセリフだと思ってたからビックリしちゃった!!」


カンちゃんが慌ててフォローする。みんなもつられて、


「ダメじゃない」


を連呼した。
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