その先へ
「じゃあ決まりだな。場所は18時にSAMURAIな!!」

ウキウキしながら予定を決めるユーヘイにカノンが待ったをかけた。


「え?18時ならジュン間に合わないんじゃない?」


カノンが僕を見る。僕は笑顔で、


「自分はいつもみたいに後から行くから大丈夫だよ。先に始めてて」


と言った。

突然の誘いに到底時間通りに行けない。
なぜならそれは僕が剣道部に所属しているから…。
でも、僕にとってそれが苦痛なわけではない。
気を遣って僕に合わせようとされる方がよっぽど辛い。


だからこれでいいんだ。


「なら俺は帰って寝てから行こうかなぁ。じゃお先に」


両腕をグーッと上に伸ばしながらタキが輪から離れて行った。
その様子を見ていたカンちゃんも、


「アタシもちょっと用事あるから、じゃあ」


と、タキの後を追うように教室を出て行った。


(彼氏の所に行ったな…)


残った4人が思ったことは一緒だろう…。
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