その先へ
「ちょっと…何言ってんの?タクが彼氏のわけないでしょ?」


再び否定するアイ姉に容赦なく興味津々な視線が向けられる。

もちろん僕も。


「えっ?やだなぁ。ほらっ、もう部活行きなさい」


明らかに動揺している。やはり思っていた通りなのか。


僕は立ち上がりみんなに、


「先行くわ。アイ姉、弁当ありがとう」


そう告げると保健室を出た。



これ以上アイ姉の話を聞きたくない、そう思った。

あんなに気になっていたのに…。
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