その先へ

第7歩

写真部のフミナと別れ、カノンと僕は旧校舎と武道場へ向かった。

旧校舎と武道場の間にある非常階段に腰を掛ける僕ら。

部活まで時間がある時はよくここで話をするのである。

僕にとって幸せな時間であり、お気に入りの場所だ。



カノンにとってはどうなのだろう…



隣に座っている彼女の横顔があまりに可愛くて、ついつい見入ってしまう。


「何?」

「何でもない」

「もしかしてご飯粒とか顔に付いてる?」

「ついてないよ」


他愛もない会話に自然と笑みがこぼれる。


彼女の笑顔を独り占め出来たら…



カノンは…


好きな人いるのだろうか…



どんな人に惹かれ、
どんな仕草にドキッとし、
どんな言葉にキュンとし、
どんな事で安らぎを感じるのだろう。
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