その先へ
「そうなんだ…みんな夢あってすごいなぁ…」


僕に言えるやっとの言葉だった。

するとタキが、


「そんなに焦る必要ないって。俺だってとりあえず大学ってだけで夢とかないし」


とフォローしてくれた。心が少し軽くなった気がした。


「そうそう!!じゃあアタシ決めてあげる!!……お笑い芸人は?」

「面白いことなんて言えないよ」


カンちゃんのアイディアを却下すると、ユーヘイもその話に乗ってきた。


「下駄職人…?」

「ユーヘイ…自分と下駄になんの関係が…」

「ない!!適当!!」

「だよな〜…」


呆れてる僕の顔が面白かったのか、カノンとタキが笑い出した。


フミナが閃いたのか、


「このSAMURAI乗っ取っちゃうのは?それならみんな卒業しても集まりやすくない?」


僕以外は妙に納得している。むしろ僕の意見も聞かずその方向で話が進み始めている。


その時、ユーヘイの後ろから、


「そう簡単には渡せねぇなぁ〜」


と、割り込んできた男性が。
< 34 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop