その先へ
しばらく逃げ回っていると、先生たちの姿を見掛けなくなった。


「ここまで来れば…って!!ここどこだ!?」


ユーヘイの声に一斉に当たりを見回す。
そこは閑静な住宅街。
僕らがさっきまでいたのは駅前の商店街。

必死になって走っていたら、すっかり迷い込んだようだ。


「ユーヘイについて来たのに…知らないの!?」

「この辺は管轄外〜」


慌てて聞くカンちゃんにあっさり答えるユーヘイ。もちろん周りからはブーイングである。


ある程度ユーヘイを責めたところで、


「とりあえず歩こうか」


と、カノンの提案で止まっていた足を再び動かした。
逃げ回っていたせいかみんなの足取りは遅い。


「ねぇ!!あれ見て!!」


カノンが指差した方向に目を向けると、そこには住宅街の一角にポツンと佇む公園があった。
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