その先へ
僕はジッと桜を見つめていた。


将来のことは大事だ。

でもこうしてみんなといる時間も同じぐらい大事だ。

だから…だから…





「ジュン!!」


タキの声に振り向くと、みんなは既に公園の外まで出ていた。

みんながいなくなっていたことに全く気付かなかった僕。


「置いてくぞ!!」


僕は慌ててみんなに駆け寄って行った。


「ジュン、お前…この仲間と離れるの淋しいなぁって思ってたんだろ!?」


タキに言い当てられたのが何だか恥ずかしくてとっさに、


「どうやって帰るか考えてただけだし」


と誤魔化してみた。周りの5人のニヤニヤした顔を見たら、誤魔化しきれていないことは一目瞭然だが。


4月はまだ肌寒い夜。
どこかも分からぬ道をただひたすらに歩く6人。
進む道は違えど、想いは一つ。


この1年大事にしよう。

だから…


将来後悔しないような今を生きよう。
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