その先へ
「礼っ」
「ありがとうございましたっ」
朝練が終わり後輩たちは急いで掃除をし着替え始めた。
今日は始業式、クラス発表の日だからだ。
クラス発表は下駄箱の正面にある掲示板に張り出される。3年生は持ち上がりなため関係ない話である。
「先輩!!最後閉めたらドアの上のとこに鍵置いておいて下さいね。いつもそのまま持って行っちゃうんだから…」
まさかの後輩からの説教…。先輩の威厳はどこへやら。
「分かったよ」
僕の返事を最後まで聞かないうちに後輩は行ってしまった。
いつからか最後に着替えるのは僕というルールが出来ている。
始めは気を遣っていた同級生や後輩も今ではそれを指摘する人は誰もいない。
人の着替えを見るのも、見られるのも苦手だ。
僕は部室の最後の1人になるまで待ち着替えると部室を出た。
下駄箱はグラウンドを挟んだ反対側にある。
突っ切ってしまえば早いのだが、綺麗に馴らしてあるグラウンドに足を踏み入れようものなら、外の部活動からクレームが来るので必然的に遠回りすることになる。下駄箱が見える位置にある分、結構距離を感じる。
武道場を出ると、カノンが下駄箱の前で待っている姿が目に飛び込んだ。
涼しい顔をしながらも、自然と足早になる自分に気付き何だか恥ずかしかった。
「ありがとうございましたっ」
朝練が終わり後輩たちは急いで掃除をし着替え始めた。
今日は始業式、クラス発表の日だからだ。
クラス発表は下駄箱の正面にある掲示板に張り出される。3年生は持ち上がりなため関係ない話である。
「先輩!!最後閉めたらドアの上のとこに鍵置いておいて下さいね。いつもそのまま持って行っちゃうんだから…」
まさかの後輩からの説教…。先輩の威厳はどこへやら。
「分かったよ」
僕の返事を最後まで聞かないうちに後輩は行ってしまった。
いつからか最後に着替えるのは僕というルールが出来ている。
始めは気を遣っていた同級生や後輩も今ではそれを指摘する人は誰もいない。
人の着替えを見るのも、見られるのも苦手だ。
僕は部室の最後の1人になるまで待ち着替えると部室を出た。
下駄箱はグラウンドを挟んだ反対側にある。
突っ切ってしまえば早いのだが、綺麗に馴らしてあるグラウンドに足を踏み入れようものなら、外の部活動からクレームが来るので必然的に遠回りすることになる。下駄箱が見える位置にある分、結構距離を感じる。
武道場を出ると、カノンが下駄箱の前で待っている姿が目に飛び込んだ。
涼しい顔をしながらも、自然と足早になる自分に気付き何だか恥ずかしかった。