その先へ
「タキ!!おはよう」


僕が後ろを向いたのとほぼ同じタイミングでカノンが挨拶した。


「なんだ、タキか」


カノンとは対照的にため息混じりで言った。


「なんだ、とはなんだよ。ってかジュンいたの?見えなかったよ」

「んだと?チビで悪かったな」


タキは身長180㎝、僕は160㎝…その差は歴然である。ちなみにカノンは…


165㎝。


世の中不公平だと思う。


「まぁまぁ。タキもジュンもお決まりのネタはもう分かったから。とりあえず教室行こうよ」


[タキ]はカノンと同様3年間同じクラスで、勉強も運動もそこそこ出来る女ウケが良い数少ない男子のうちの1人。


僕の身長をからかって楽しんでいる彼だが、基本無口で冷静で大人びた考えをしており、そんな所が僕の憧れだったりする。
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