大嫌い
 病院は騒がしかった。

「はやく準備しろ!!」

「わかりますか~?わかったら手を動かしてください!」

「反応ありません!」
 
 え?妹が事故に? 反応がない?

「ご家族の方ですか?」

「はい...」

「今から手術を始めるのであちらで待っててください。」

「・・妹はたすかるんですか?助かりますよね?」

 医師の反応はなかった。

「今はわかりません。最善をつくします。」

「..お願いします」

 私は祈ることしか出来なかった。

 少し経ったときだった

 手術室が開いた。

「妹は?!」

「とても危険な状態です。あと少しでしょう...すぐこれに着替えて妹さんの元へ!」

 わたしが渡されたのは医師が手術するとき着る服だった。

 すぐそれに着替え妹の元へ行った。

 妹は私に気づいたようだ。でも喋る気力もなく私の前で...この世を去った。

ピーーーーーーー

 この音と医師の

「●時●●分。死去」

 という声が響いた。

 私は泣かなかった。・・いや泣けなかった。

 妹がこの世にいないのが信じられなかったから。

< 42 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop