ツンデレ彼氏。
8日。



私はいつの間にか
ケータイを握りしめたまま
眠っていました。



目はパンパンに
腫れていました。



今日は私の誕生日です。



私は重い足取りで
学校へ向かいました。



クラスメートの子が
昼休みに誕生日パーティー
やってくれました。



もう…
十分です…。



私は決めました。



大好きな彼と
別れることを。



もう辛すぎたんです。



だから私は放課後、
空き教室に
彼を呼び出しました。



そして放課後…。



野球部の練習が終わり、
オレンジ色の光が射し込む
静かな教室に
初めて2人きり…。



でもこれが最初で最後。



「どうした?」



彼の久々の声。



私は涙を堪えながら
口を開こうとしたら…



「あっ!
ちょっとたんま!」



そう言って彼は何やら
がさがさとカバンを
いじりはじめたのです。



「んっ!」



そして彼は私の前に
硬式用の野球ボールを
つきだしました。



「やるよ、お前に」



私は彼から野球ボールを
受け取って…



「…これ…」



私の目から涙が落ちました。
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