君想い。


「自分のこと棚にあげて。俺だって最近友達とばっかいて、智香のことほったらかしてたのに…。ごめん」


「そんなこと…」


「でも、智香が雅人と仲良くすんの見るの俺やだったんだ…。雅人に智香を取られる気がしてさ…」


悠太は弱々しく呟いた。


「…やきもち?」


悠太の返事がない。


「妬いたんだ。あはは」


私が笑うと悠太は少し拗ねたような顔になった。


悠太、好き…。


そんな想いを込めて悠太の背中に腕を回した。


「温かい…」


寒空の下なのに悠太の腕の中は温かかった。


その温もりを離したくないと思った。


私は悠太を強く抱き締めた。

.
< 14 / 62 >

この作品をシェア

pagetop